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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻3号

2003年03月発行

文献概要

症例報告

特異な形態を呈したdermoid cystの1例

著者: 山田寛明1 山縣正庸1 雄賀多聡1 清水耕1 池田義和1 平山次郎1 村田泰章1 村上正純2

所属機関: 1千葉労災病院整形外科 2千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.353 - P.356

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 抄録:脊柱管内dermoidは典型的には囊腫の形態をとるとされる.われわれは完全な囊腫の形態をとらず,頭側がくも膜下腔に開いた特異な形態を呈した腰仙椎部dermoid cystの1例を経験した.症例は31歳,女性.主訴は右下肢痛で,2段排尿を認めたが,その他身体所見および神経学的異常を認めなかった.ミエログラムではL5からS2レベルで内部に造影剤が流入し,ぶどうの房状を呈する腫瘤状の陰影を認めた.手術所見によると腫瘍は頭側がくも膜下腔に開いた囊腫で多量の毛髪を含み,病理所見とあわせdermoid cystと診断された.腫瘍壁と馬尾との癒着が強く,可及的摘出術を行った.近年dermoid cystの自然破裂の報告が散見されるが,本症例における特異な形態はdermoid cystの自然破裂がその原因であった可能性も考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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