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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

頚髄症拡大術後の脊髄頭尾長の変化

著者: 横山徹1 岡田晶博1 油川修一1 富田卓1 竹内和成1 藤哲1

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科

ページ範囲:P.377 - P.382

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 抄録:頚髄症に対する拡大術において術後成績に影響する因子のひとつに頚椎の矢状面alignmentが指摘されているが,いまだ意見が分かれている.われわれの頚椎非前弯型のなかには成績が不良な例があり,その術後MRIでは脊髄が頭尾側方向に緊張しているような所見が認められる.そこで今回,棘突起縦割法拡大術を施行した25例と前方固定11例の36例(頚椎症性脊髄症21例,例後縦靱帯骨化症15例)を対象に,頚部脊髄の頭尾長をMRIにて計測を試み,JOAスコア改善率との関係についてretrospectiveに検討した.頚髄長の術前後の差(術後-術前)(脊髄長差)は,拡大群が-21~3mm(平均±SD:-.0±3.4mm),前方群が-5~7mm(0.03±4.9mm)で,両群間に有意差はなかった.拡大術の頚髄長差2mm以上群(6例)の平均改善率は-53%で,拡大術2mm未満群および前方固定2mm以上群よりも有意に不良で,そのうち5例は直線型のOPLLであった.拡大術後に生じる脊髄長の増加は成績不良因子のひとつになりうると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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