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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

頚髄除圧術後の上肢麻痺に関する脊髄障害原因説

著者: 本間隆夫1 千葉義和2 長谷川和宏3 渡辺研二4

所属機関: 1新潟脊椎外科センター 2下都賀病院整形外科 3新潟大学大学院医歯学総合研究科機能再建医学講座整形外科学分野 4亀田第一病院整形外科

ページ範囲:P.389 - P.395

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 抄録:頚髄除圧術後の上肢の麻痺45例の発生率は7.5%であったが,前方固定,椎弓切除,拡大術間に発生の有意差はなく,72%が術後に発生し,80%は運動麻痺が主体で,40%は単一,60%は複数神経根領域に広がり,C5領域に多いがC8領域まで広く出現した。術後画像では20%にのみ脊髄圧迫所見があり,大半は無治療でも47%は完全回復した.麻痺の神経学的局在と手術範囲の一致性では神経根の可能性は最大77.8%,脊髄の可能性は最大97.8%であった.この麻痺を神経根障害とする諸説とデータとの不一致点およびそれらの理論的破綻点を指摘して原因論としての従来の神経根障害説を否定し,本麻痺は,術式とは関係なく,圧迫などの物理的損傷でもない,除圧後の脊髄に生じる一過性原因による限局性の脊髄障害であると結論する.原因として,圧迫による阻血脊髄の除圧による血流回復に伴って発生するフリーラジカルの組織障害を指摘する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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