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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

RA頚椎手術後の長期予後―垂直亜脱臼の有無による比較検討

著者: 藤谷正紀1 小熊忠教1 長谷川匡一1 織田格1 三浪三千男1 松野誠夫1

所属機関: 1北海道整形外科記念病院

ページ範囲:P.427 - P.435

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抄録:術後10年以上経過例,すなわち1979~1990年の12年間に手術を行った症例93例中66例(調査率71%)について,関節リウマチ(以下RA)頚椎手術後の予後を特に垂直性亜脱臼(以下VS)の有無に注目して検討した.対象症例は女性61例,男性5例であり,手術時年齢は25~74歳,平均54.6歳である.術後10年での生存率は環軸椎後方固定術で対処した非VS例29例が69%,軽症なVS例28例が50%,後頭骨頚椎後方固定術および頚椎前方・後方同時固定術で対処した比較的重症なVS例9例が56%で示すように,環軸椎後方固定術で対処した軽症のVS例であっても手術時すでにVSである例に対してVSそのものを整復しない従来のin situの固定術では予後は良好でなかった.しかし後頭骨頚椎後方固定術で対処した重症なVS例であっても予後が著しく不良ではなく,四肢麻痺や呼吸麻痺等の危険な状態を放置するよりは明らかにそれなりの治療価値がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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