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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

腰椎椎間板変性と運動力学特性の関連

著者: 田中信弘1 藤原淳2 藤本吉範1 越智光夫1

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻病態制御医科学講座整形外科学 2ラッシュ医科大学整形外科

ページ範囲:P.453 - P.461

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 抄録:本研究は,椎間板変性度の違いによる三次元的生体力学特性を比較検討することを目的とした.47新鮮遺体(死亡時年齢39~87歳,平均68歳)より採取した114椎間を対象とした.椎間板変性度は,MR画像とcryomicrotomeによる肉眼的形態を用い,Thompson分類に従いⅠ度からⅤ度に分類した.生体力学検査は,重錘を使用し純モーメントを上位椎体に加え,屈曲,伸展,左右回旋,左右側屈の各6方向のrotational angleおよびtranslationを求めた.T12-L1からL3-4椎間までの上位腰椎では,回旋,屈曲運動はⅣ度で増大し,Ⅴ度で減少し,側屈運動はⅢ度で増大していた.一方,L4-5,L5-S1の下位腰椎では,回旋,側屈運動はⅢ度で増大していた.腰椎運動力学特性は椎間板変性により影響され,特に回旋運動では椎間板変性による影響が大きく,Ⅲ度,Ⅳ度の椎間板変性は腰椎不安定性に大きく関与していることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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