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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

腰椎変性すべり症に対する後方除圧術の中長期成績と術後不安定性の検討―椎弓切除術と開窓術の比較

著者: 西澤隆1 千葉一裕1 中村雅也1 松本守雄1 丸岩博文1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.493 - P.499

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 抄録:腰椎変性すべり症に対し施行した椎弓切除術(13例:男性3例,女性10例)と開窓術(16例:男性10例,女性6例)の中長期成績を検討し,術後に発生するすべりの進行について自然経過例と比較した.その結果,両術式の術後JOAスコアと改善率に有意差を認めなかった.しかし,再狭窄の発生率は椎弓切除群(7.7%)より開窓術群(18.8%)で高かったことから,上位椎弓正中部やlateral recessの除圧不足が懸念される症例では椎弓切除術による十分な除圧が望ましい.また,画像所見の検討では,両術式によるすべり率,すべり率変化,椎間高比への影響は自然経過例と比較して有意差を認めなかった.また,すべりの進行と椎間高比あるいは改善率に相関を認めなかった.つまり,腰椎変性すべり症に対する後方除圧術後にみられたすべりの進行は,手術による影響よりむしろ自然経過による影響が大きいものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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