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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

中間位すべり度と前後への椎体動揺度が腰椎の臨床症状に与える影響の比較

著者: 赤浦潤也1 井口哲弘1 栗原章1 笠原孝一1 金村在哲1 山崎京子1 佐藤啓三1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科・勤労者腰痛センター

ページ範囲:P.501 - P.507

文献概要

 抄録:腰下肢症状を呈する880例について中間位でのすべり度と前後への椎体動揺度が臨床症状に与える影響について調査した.方法は,単純X線側面像で中間位すべり度および前後への椎体動揺度を計測し,3mm以上と未満で4群に分類して,各群の臨床評価点数(JOAスコア)を比較した.結果は,中間位ですべりを有する群は有意に年齢が高く,すべりの発生には加齢的変化が影響していると考えられた.中間位すべりを有する群は動揺度の有無に関わらず有意に点数が低かった.また動揺度の有無での有意差はないが,中間位すべりを合併すると症状に影響していた.すなわち中間位でのすべりは前後への椎体動揺性よりもより強く臨床症状に影響を与えていた.以上の結果から,臨床症状に関与する腰椎の不安定性の指標としては,中間位でのすべりが前後への動揺性よりも重要であると証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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