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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

仙骨全摘後再建法の生体力学的検討―新しい再建法の評価

著者: 村上英樹1 川原範夫1 坂本二郎2 吉田晃1 南部浩史1 上田康博1 尾田十八2 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科 2金沢大学工学部人間・機械工学科

ページ範囲:P.517 - P.523

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 抄録:仙骨全摘後の再建法として現在行われている再建法と,当科で新たに考案した再建法を生体力学的に比較検討した.MGRモデルでは第5腰椎椎弓根スクリューと腸骨スクリュー間の脊椎ロッドに生じる最大応力値がチタン合金の降伏応力をはるかに超えており,この部位でロッドが破損する危険性が高いことが示された.またTFRモデルでは,インスツルメント破損の危険性は低いものの,腸骨や第5腰椎の仙骨ロッド挿入部周囲における最大応力は,皮質骨の降伏応力を超えており,仙骨ロッドの緩む可能性があることがわかった.すなわち,現在施行されている仙骨全摘術後の再建法では,術直後から荷重負荷がかかると生体力学的にインスツルメントの破損や緩みの危険性が高いことが証明された.しかし,NRモデルでは,インスツルメントや隣接する骨に生じる応力は減少し,過度の応力集中は認められなかった.当科で考案した新しい再建法は,術後早期からの荷重にも耐えうる有用な再建法のひとつであることが証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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