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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)
骨粗鬆症性脊椎におけるpedicle screw固定性強化を目的としたリン酸カルシウム骨ペーストの応用―基礎と臨床
著者: 武政龍一1 谷脇祥通1 山本博司1 谷俊一1 谷口愼一郎1
所属機関: 1高知医科大学医学部整形外科
ページ範囲:P.525 - P.534
文献購入ページに移動力学試験;実験的骨粗鬆犬9頭および非骨粗鬆犬5頭に横突起基部から椎体にscrewを刺入し,CPC補強の有無にてscrewの引抜き強度と剛性値を比較した.その結果,引抜き強度および剛性とも1,2,4週時すべてにおいて補強群が非補強群と比べ有意に高い値を示した.CPCでscrewを補強したものは,骨粗鬆犬であっても,非骨粗鬆犬における通常screwと同等以上の力学強度が得られていた.
臨床応用;重度骨粗鬆症患者6例における使用経験を検討した.椎体圧潰の5例には,椎体内CPC注入に加え,ほとんどが頭尾側1椎のみのCPC補強pedicle screwによる後方固定術にて,術前平均34°の後弯角が術後17°に改善し,術後平均8カ月時まで19°を維持していた.変性側弯症の後側方固定術に使用した1例も,使用した6本中5本のscrew周囲にはclear zoneを認めず,移植骨の骨癒合が得られ経過良好であった
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