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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

発育期における腰椎分離症のすべり発生の主因は椎体成長軟骨板損傷である

著者: 西良浩一1 加藤真介1 酒巻忠範1 井上めぐみ2 小松原慎司1 佐野壽昭2 安井夏生1

所属機関: 1徳島大学医学部医学科感覚運動系病態医学講座運動機能外科学 2徳島大学医学部医学科器官病態修復医学講座人体病理学

ページ範囲:P.535 - P.540

文献概要

 抄録:発育期腰椎分離症がすべり症に進展するメカニズムを明らかとするために,幼若ラット脊椎すべりモデルを考案し,そのX線像および組織所見からすべり発生メカニズムを考察する.実験動物は4週齢雌ラットを用いた.脊椎後方不安定手術を行い,術後1,2,3週目の単純X線像から%slipを計測し,すべりの評価とした.術後1週ですべりは生じており,%slipで7.2%のすべりを生じていた.この結果を受け,すべりが生じ始める術後1週の時点で腰椎を摘出し,HE染色にて椎間板と成長軟骨板の形態を評価した.髄核の形態は保たれており,線維輪の走行変化もなかった.すなわち,発育期の椎体すべりでは,椎間板は正常に保たれている状態で椎体がすべっていることがわかった.一方,尾側椎体の椎体成長軟骨板は後方で解離しており,幼若期の椎体すべりには,成長軟骨板損傷が関与していることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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