icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

脊椎手術後肺塞栓症の早期診断と治療指針

著者: 井上剛1 小森博達1 大川淳1 波呂浩孝1 四宮謙一1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科先端医療開発科学系先端外科治療学脊椎脊髄神経外科学部門

ページ範囲:P.549 - P.554

文献購入ページに移動
 脊椎手術後に発生する肺血栓塞栓症を疑う際の診断・治療指針を作成し,2年間の臨床実施の結果からその実用性を検討した.対象は1999年10月~2001年10月の間に当院で脊椎手術を受けた217例(うち伏臥位186例)である.血液ガス分析と肺血流シンチグラムを用いた早期診断基準・治療指針をまとめた.診断基準に沿った低酸素血症を呈した症例と,肺血流シンチグラムで血流欠損が確認された症例の割合を調べた.全症例中,診断基準に必要な検査がすべて行われていたものは165例で,肺塞栓症の診断指針に沿った低酸素血症を呈したものが21例であった.このうち肺血流シンチグラムにより血流欠損像が確認されたのは5例であった.すべて伏臥位手術例であり,伏臥位例中の3.5%を占めていた.手術前後の動脈血液ガス分析は,肺血流シンチグラムを組み合わせることにより肺塞栓症の早期発見に有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら