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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

脊椎手術後の深部静脈血栓症(DVT)の検討

著者: 小林俊之1 南和文1 中嶋隆夫1 伊藤博元2 玉井健介2 宮本雅史2

所属機関: 1日本医科大学付属千葉北総病院整形外科 2日本医科大学整形外科

ページ範囲:P.557 - P.562

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 抄録:2000年4月から2002年4月までに,脊椎手術後に下肢静脈造影を行った42例を対象としてDVTの発生率と発生高位および年齢,性別,肥満度,手術時間,出血量,Dダイマー値との関連を検討した.Dダイマー値は術翌日と術後7日に測定した.静脈造影の結果,12例(28.6%)がDVT陽性であった.しかし,全例無症候性であった.発生高位は近位型3例(7.1%),遠位型9例(21.4%)であった.DVT陽性群と陰性群の比較では,年齢,性別,肥満度,手術時間,出血量に有意差はみられなかった.Dダイマー値は術後1日で,有意な差は認めなかったが,術後7日でDVT陽性群12.7±2.63μg/ml,DVT陰性群4.8±0.54μg/mlとDVT陽性群で有意に高値であった(p<0.01).特にDVT陽性群のなかでも,末梢型よりも中枢型で有意に高値であった.Dダイマー値は脊椎手術後のDVT発症の重要な指標となりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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