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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

脊椎インストゥルメンテーション手術後創感染早期診断に白血球分画が有用である

著者: 髙橋淳1 江原宗平1 中村功1 平林洋樹1 北原淳1 上村幹男2 加藤博之1

所属機関: 1信州大学医学部医学科運動機能学講座 2諏訪赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.565 - P.570

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 抄録:白血球分画が術後創感染早期発見に有用であるかを検討した.脊椎インストゥルメンテーション手術後2週以内に創感染を起こした群(以下INF群)6例と,INF群と年齢,性別,術式をマッチさせた群(以下CTRL群)24例を対象にした.術前,術後の白血球数(以下WBC),白血球分画を測定した.WBC,好中球%,好中球数はINF群では4日目までCTRL群と同様な推移を示した後,術後7日目より再上昇した.リンパ球%・リンパ球数は,両群とも術後1日目には10%・1,000/μl以下に下がる.術後4日目からCTRL群は徐々に正常化し3週で術前と同レベルに戻るがINF群では術後11日目まで10%・1,000/μl以下を持続した.感染例で術後4日目の早期にリンパ球%とリンパ球数が有意に低下していた.これは,免疫抑制状態を示し,易感染性を呈し,術後感染を誘発する.この,リンパ球低下の時期を早期に診断できれば,術後創感染をインストゥルメントの抜去をすることなしに早期に治療できると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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