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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学最近の進歩 2003(第31回日本脊椎脊髄病学会より)

化膿性脊椎炎78例の検討

著者: 橋爪洋1 玉置哲也1 川上守1 安藤宗治1 山田宏2 河合将紀1 岩崎博1 吉田宗人3

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2新宮市立医療センター整形外科 3和歌山県立医科大学リハビリテーション科

ページ範囲:P.571 - P.576

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 抄録:当科で経験した化膿性脊椎炎78例について検討した.1973年4月~1987年12月までを前半期,1988年1月から2002年4月までを後半期として比較すると,後半期の化膿性脊椎炎の臨床像として,患者の高齢化,いわゆるcompromised hostの増加,急性症状を呈さない症例の増加,起因菌(特に弱毒菌)の多様化が特徴的であった.手術適応は前半期:1)脊髄症状の合併,2)X線像で骨破壊が進行しアライメント不良を生じたもの,3)明らかな膿瘍が存在するもの,の3つであったが,後半期は6~8週の保存療法に抵抗する症例にも積極的に手術を行った.この手術適応の拡大により,化膿性脊椎炎全体の平均治療期間は有意には短縮されなかった.しかし,病巣の掻爬と骨移植が的確に行われれば,化学療法の期間短縮が可能であり,腰椎罹患例においては腰痛の遺残を予防できる可能性があることが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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