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情報化時代における医療のかたち
著者: 内尾祐司1
所属機関: 1島根医科大学整形外科
ページ範囲:P.587 - P.588
文献購入ページに移動組織の世紀といわれる20世紀には階層的・官僚的組織こそが最強,最善の組織としてみなされてきた.
P. F. ドラッガーによれば,「産業革命は人間を単純な機械的作業から情報収集,分析,利用などの知的作業へシフトさせた.しかし,個々の人間の情報処理能力には限界があるために,組織の階層化,分業化,専門化を進めることが必要であり,そのためには官僚型の組織こそが効率性・利便性・生産性にすぐれた組織として認識されてきた」という.しかし,20世紀末には効率性だけでは対処しきれない価格破壊や,組織の利益を追求するあまり生じた政官業の癒着・談合,薬害,不正経理などの社会問題はこれまでの組織そのもののあり方の問題や矛盾を露呈し,今,別の組織のあり方が模索されようとしている.企業は従来の階層的・官僚的組織とは異なった組織,例えば顧客を中心とした逆ピラミッド型,あるいはネットワークを用いたフラット型の組織変革を行うことで企業としての生き残りをかけようとしている.
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