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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻5号

2003年05月発行

文献概要

シンポジウム 外傷に伴う呼吸器合併症の予防と治療

大腿骨近位部骨折術後の深部静脈血栓症の発生と治療

著者: 塩田直史1 佐藤徹1 松尾真嗣1 梶谷充1 坂田賢一郎1 井上一1

所属機関: 1岡山大学整形外科

ページ範囲:P.593 - P.599

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 抄録:大腿骨近位部骨折53例について深部静脈血栓症(DVT)の発生と手術方法・手術までの期間,血栓マーカーであるD-dimerとの関係を検討し,浮遊型DVT発生7例に血栓溶解療法を行い評価した.症候性肺塞栓症(PE)は認めなかったが,静脈造影からは17例(32.1%)にDVTが認められた.また,CHSよりBHPに有意にDVT発生が多く,近位型が多い.大腿骨頚部内側への手術操作が近位型DVT発生の原因となり,また受傷48時間未満での手術がDVT発生を有意に抑制する.術後7日目のD-dimer測定で,cut off値を10μg/mlに設定することでDVTの発生を予測できる.浮遊型DVTへの血栓溶解療法は有効であった.DVT・PEはそれぞれ別の疾患ではなく密接に関連しており,また突発的な発生で致死的であることから,受傷時より予防・検索・治療のすべてを包括的に進めていくことがDVT・PEの対策として重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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