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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻5号

2003年05月発行

文献概要

シンポジウム 外傷に伴う呼吸器合併症の予防と治療

重症外傷に伴う呼吸器合併症の予防と治療

著者: 原義明1 川井真2 森田良平1 長谷川栄寿3 野崎正太郎1 加藤宏3 大泉旭2 益子邦洋1 山本保博2

所属機関: 1日本医科大学付属千葉北総病院救命救急センター 2日本医科大学高度救命救急センター 3国立病院東京災害医療センター救命救急センター

ページ範囲:P.627 - P.633

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 抄録:四肢骨盤骨折を伴う多発外傷症例に対する早期固定術は,呼吸器合併症の発生を予防できるかどうかを検討した.当施設に搬送された多発外傷患者(ISS≧20)について,四肢骨盤の固定手術時期を受傷から72時間を境界とし早期固定群と晩期固定群に分け,各症例について呼吸器管理日数,酸素化係数,ICU期間,SIRS期間,死亡率などを記録した.対象症例は118例,平均年齢37.4(16~81)歳,男女比77:41,平均ISS 28.6(13~56)であった.頭部・胸部外傷合併例で早期固定群のほうが晩期固定群より有意差はないものの酸素化係数,ICU期間,SIRS期間,呼吸器管理期間において優れた結果であった.腹部外傷合併例では固定時期による差は認められなかった.呼吸器合併症全体の発生頻度は早期固定群が45%であるのに対し,晩期固定群が71%であった.予後は早期固定群で74%に対し,晩期固定群で67%と有意差はなかった.死亡率に関しては,有意差はないもののやや早期固定群が優れていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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