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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻5号

2003年05月発行

文献概要

症例報告

頚髄硬膜内髄外に発生した気管支囊胞の1例

著者: 大和雄1 村田英之1 大谷勝典1 市川哲也1 長野昭1

所属機関: 1浜松医科大学整形外科教室

ページ範囲:P.675 - P.678

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 抄録:頚髄硬膜内髄外に発生した気管支囊胞の1例を経験した.症例は74歳女性で左肩関節痛,右半身温痛覚低下,歩行障害を主訴に来院した.左半身に筋力低下,深部知覚障害,深部腱反射亢進,右半身に温痛覚低下を認めるBrown-Séquard型の麻痺を呈していた.MRIではC3からC4椎体レベルにT1強調像,T2強調像でともに高信号を呈する頚髄硬膜内髄外の腫瘍性病変が認められた.手術は頚椎片開き式椎弓形成術により進入したところ,腫瘍は囊胞で,これを顕微鏡下に摘出した.病理組織学的所見で囊胞壁は多列の線毛上皮を有し,壁内に平滑筋,軟骨を認めたため,神経腸管囊腫の範疇に含まれる気管支囊胞の典型例と診断した.本症の術前診断にはMRIが有用であった.また本例では術後化学性髄膜炎を併発しており術中摘出時には囊胞内容物を漏出させないよう注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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