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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻6号

2003年06月発行

文献概要

シンポジウム 脊椎転移癌に対する治療法の選択

緒言 フリーアクセス

著者: 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学大学院医学研究科整形外科学

ページ範囲:P.714 - P.715

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 脊椎転移癌の治療は難しい.「癌転移である以上,当然,癌の末期状態と認識しなければならない」という厳然とした医学的事実を前にして考えれば考えるほど,治療に勇気がでなくなり絶望的になる.また脊椎転移癌の病像をとらえようとしても,個々まちまちで,画一的にはとらえがたい代物である.ましてや治療方針となれば,これに対面している医師や患者の思惑により大いに揺れ動くので,客観的な焦点が定まらず,難しい.

 脊椎転移癌は一方で「脊髄麻痺」という脅しを見せつける.人間の尊厳を傷つけるこのみじめな脊髄麻痺を避けようとして脊髄除圧術にのみ専念した時代もあった.それはそれでいいとしても,もともと脊髄麻痺そのもので命を失くすることもなければ,麻痺が改善しても一時的な気休めの場合が多く,生命に絡む根本的な問題が解決するわけではなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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