文献詳細
文献概要
連載 整形外科と蘭學・4
吉雄耕牛と解体新書
著者: 川嶌眞人1
所属機関: 1川嶌整形外科病院
ページ範囲:P.804 - P.805
文献購入ページに移動耕牛は平戸から長崎に来たオランダ通詞(通訳)吉雄家の五代目で,四代目吉雄藤三郎の長男であった.定次郎,幸左衛門,幸作,永章と称し,耕牛は号である.吉雄家は代々通詞を務めた家であるが耕牛の祖父は寿山といい,医業も営んでいた.寿山の妻は中津の出身であった.耕牛は寛延元年(1748)には25歳で大通詞(最上級訳官)となり,オランダ領事の江戸参府にも度々同行しており,通訳としても最高レベルの人材として活躍した.通訳のかたわら長崎出島の商館付医師,特にツュンベリーから教示を受け医学・医術を学んだ.パレ,ハイステル,プレンク,スメリなどの医書やウォイツ,ハルマ,ショメールなどの字典の収集に務めた.
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