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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻6号

2003年06月発行

文献概要

臨床経験

人工膝関節全置換術における出血対策―術中トラネキサム酸使用の効果

著者: 田中啓之1 野村興一2 石井崇大1 金澤元宣2 小野秀文2 朴智2 倉都滋之2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2国立病院呉医療センター整形外科

ページ範囲:P.809 - P.812

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 抄録:人工膝関節全置換術(以下TKA)において,術中・術後出血は不可避であり,その対策については,さまざまな方法が報告されてきた.今回われわれはTKA施行時の出血量を減少させる目的で,トラネキサム酸を術中(駆血帯解除15分前から解除までの間)に投与し,出血量を抑制できるかどうかについて検討した.対象は,TKA初回手術41症例で,トラネキサム酸術中投与群21例,非投与群20例の2群に分類した.総出血量(術中および術後出血の合計)は,投与群平均479ml(56ml~828ml),非投与群平均1159ml(455ml~2080ml)と,2群間において有意差を認め,投与群ではほぼ全例で輸血を回避することが可能であった.トラネキサム酸の術中投与は,特別な器具や手技を必要としない簡便な方法であり,コストも安く,TKAにおける出血対策として非常に有用な方法であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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