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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻6号

2003年06月発行

文献概要

臨床経験

脊髄腫瘍非手術例の経過

著者: 鎌田修博1 木内準之助1 丸岩博文2 中村雅也2 松本守雄2 千葉一裕2 戸山芳昭2

所属機関: 1けいゆう病院整形外科 2慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.813 - P.817

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 抄録:初診から1年以上手術をせずに経過観察し,MRIを撮像できた脊髄腫瘍24例の臨床経過を検討した.神経学的所見は7例にみられた.腫瘍は多発性が7例と多く,組織診断は神経鞘腫が16例と多かった.画像の経時的変化は4例にみられ,神経鞘腫の2例は増大していた.症状の経時的変化は不変17例,改善3例,一時悪化後改善2例,悪化2例であった.改善例は腫瘍が痛みの原因ではなかった.一時悪化後改善例は,神経鞘腫の増大に伴い症状が一時悪化したと思われた.悪化例は神経症状を伴う髄内腫瘍で,相対的脊柱管狭窄状態から経時的な悪化を生じた.神経症状を伴う髄内腫瘍以外は,症状の急激な悪化はみられなかった.症状の軽微な脊髄腫瘍では,組織型がある程度判断でき,中でも神経鞘腫や神経線維腫と診断できる例においては,注意深い経過観察のもと手術時期は慎重に判断してもよいと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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