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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻6号

2003年06月発行

文献概要

症例報告

膝蓋腱を使用した前十字靱帯再建術後7年で生じた膝蓋腱断裂の1例

著者: 大塚和史1 笠井隆一2 新林弘至2 西村直己2 西口滋2 岩城公一2 西田晴彦2 斉藤聡彦2 秋吉美貴2 吹上謙一2

所属機関: 1林病院整形外科 2神戸市立中央市民病院整形外科

ページ範囲:P.823 - P.826

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 抄録:膝蓋腱を使用した前十字靱帯(ACL)再建術後7年以上経って生じた膝蓋腱断裂の1例を経験した.症例は41歳女性,バイク事故で左膝ACL損傷を受傷し,他院にて中1/3膝蓋腱を使用したMarshall法によるACL再建術を施行された.再建術後経過は良好だったが,7年9カ月後バレーボールの試合中に膝蓋腱断裂を受傷した.術中膝蓋腱断裂部近辺は脆弱で変性しており,デブリドマンの後一次的に縫合した.術後経過は良好で現在日常生活上特に支障はない.Marshall/MacIntosh法やBTB法のように膝蓋腱を使用したACL再建術の術後合併症の一つに膝蓋腱断裂がある.この合併症の多くは1年以内に外傷に伴って生じる急性期断裂であるが,再建術後数年経って生じる陳旧期断裂も報告されている.本症例は41歳で加齢による靱帯の変性に加え移植片採取後の阻血性変性も関与している可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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