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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻6号

2003年06月発行

文献概要

症例報告

緩徐に麻痺が上行した頚髄損傷の1例

著者: 杉田誠1 寒河江正明2 佐藤政悦1 桑添裕光1 鳥居伸行1 井上林1 加藤義洋1 武井寛2

所属機関: 1寒河江市立病院整形外科 2山形大学整形外科

ページ範囲:P.827 - P.831

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 抄録:骨傷の明らかでない頚髄損傷で,受傷後数日から麻痺レベルが緩徐に上行した症例を経験した.症例は57歳,男性.5mの高さから転落し受傷.C6の不全麻痺,C7以下の完全麻痺を呈していた.骨傷はみられず,MRIでは脊髄に多椎間圧迫を認め,C5/6を中心にT2高信号領域を認めた.受傷後2日より麻痺レベルが上行しはじめ,受傷後11日目には自発呼吸が消失した.受傷後16日に頚部脊柱管拡大術を行い,自発呼吸の改善がみられた.本症例は多椎間圧迫による脊髄易損性に加え,受傷翌日より2日間著明な低血圧を起こしており,そのため脊髄血行障害が生じ麻痺が上行した可能性があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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