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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻6号

2003年06月発行

文献概要

症例報告

第2頚椎に発生した骨原発性悪性リンパ腫の1例

著者: 渡邉航太1 細谷俊彦1 小粥博樹1 佐々木敏江1 三笠貴彦1 松本守雄2

所属機関: 1総合太田病院整形外科 2慶應義塾大学整形外科

ページ範囲:P.833 - P.837

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 抄録:骨原発性悪性リンパ腫はnon-Hodgkinリンパ腫の2.6%,原発性骨悪性腫瘍の5%以下で極めて稀な疾患であるが,その内,頚椎原発は2%以下である.症例は52歳,男性.急速に増悪する強い頚部痛を主訴に来院した.精査の結果,第2頚椎病的骨折の診断で生検術と後方固定術を施行した.術中迅速診断はmalignant fibrous histiocytomaであったため,腫瘍は第2頚椎の椎弓,棘突起を含め後方部のみを一塊として摘出し,C0~C6の範囲で後方固定術を施行した.しかし,術後病理組織診断は悪性リンパ腫であった.そのため化学療法,放射線療法を施行し,現在は完全寛解状態である.当疾患は極めて稀で,しかも画像上で特異的な所見はなく,病理組織学的にも診断困難な場合が多い.しかし,早期に治療を行えば比較的予後は良好なため,診療の際は当疾患も念頭において診断,治療にあたる必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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