icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻6号

2003年06月発行

文献概要

症例報告

肺転移病巣の自然消退をみた胞巣状軟部肉腫の1例

著者: 塩見巌1 大塚隆信1 米澤正人1 神山文明1 柴田芳宏1 多田豊曠1 松井宣夫1

所属機関: 1名古屋市立大学整形外科

ページ範囲:P.839 - P.841

文献購入ページに移動
 抄録:症例は,14歳,男性.主訴は左大腿部腫瘤.腫瘤の増大により近医受診したところ,左大腿部腫瘍を指摘され,当科受診した.外来にて針生検術を施行した結果,胞巣状軟部肉腫と診断され,当科入院となった.入院後,術前治療として,三者併用療法を行い,その後,腫瘍広汎切除術を施行した.術後,全身化学療法を施行し,以後は外来にて経過観察とした.胸部CTの推移をみると,術後,転移病巣が認められるようになり,以後,転移巣は増加増大傾向を示したが,その後,減少縮小傾向に転じて,その傾向のまま現在まで至っている.胞巣状軟部肉腫の肺転移病巣の自然消退例は,われわれの渉猟し得た限りでは,本例が2例目であると思われる.その原因については未だ不明であり,一般的に他の悪性腫瘍の肺転移例においても,その自然消退後に再増悪が起こることがあることより,本例においても今後の慎重な経過観察が必要であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら