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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻7号

2003年07月発行

文献概要

視座

コンプライアンスについて

著者: 山田治基1

所属機関: 1藤田保健衛生大学整形外科

ページ範囲:P.865 - P.865

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 コンプライアンス―申し出,要求などに従うこと,承諾,応諾.現在では,法令や各種規定などを遵守し,公正かつ公平な業務遂行を行うことを意味する.

 

 医師という職業は,高い技術を有する専門家という認識が一般的である.現実に,他の者には許されていない医療という行為を特権的に行うことが認められており,その専門性,独占性は法および社会観念により強固に守られてきた.つまり,他の領域からはきわめて犯しにくい,閉ざされた世界を形成してきた職種である.また職業柄,患者個人の秘密に触れることが多く,かつ行為の結果が生命に関わることのある職業であるため,高度の倫理観と義務意識を有するのは当然のこととされ,現場の細部において,いわゆる法に従うということを意識することは比較的少ない職種であった.もちろん現実の医療にはさまざまな規制が存在し,それに縛られているのであるが,それでも時として,同じような患者様を前にして,まったく正反対といえる治療法を選択しても許容される場合のあるほど,その裁量というものが認められている職業であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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