文献詳細
手術手技/私のくふう
文献概要
抄録:マーゲル法施行例で骨形態とスクリュー方向を検討し,X線透視下の安全で的確なスクリュー刺入法を考案した.椎骨動脈損傷例の術後CT像から損傷は環椎でなく軸椎横突孔付近で好発すると考えた.41例の正面と側面の術後X線像でスクリュー通過点を計測し,術後CT像でスクリューが,軸椎横突孔から離れていたかで安全性を,環軸関節中央部を貫通したかで的確性を評価した.X線像計測とCT像評価を対比した結果,亜脱臼整復例では正面像で軸椎上関節面の内側1/4の点~外側1/3の点,同時に側面像で軸椎椎弓起始部上縁レベルの椎体の後方1/5の点~中点を通過すれば,100%の安全性と82%の的確性で刺入できた.整復不能例でも,正面像で軸椎上関節面内縁から43%未満の内側,または側面像で椎体後縁から49%未満の後方を通過すれば100%安全であった.軸椎横突孔の内側偏在と後方偏在の合併や高度亜脱臼の遺残はハイリスク例であった.
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