icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻7号

2003年07月発行

文献概要

症例報告

抗生剤含浸ハイドロキシアパタイトブロック充塡により鎮静化した慢性骨髄炎再燃例

著者: 佐々木智浩1 糸数万正1 高津敏郎2 伊藤芳毅1 福田雅1 清水克時1

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科 2岐阜市民病院整形外科

ページ範囲:P.951 - P.956

文献購入ページに移動
 抄録:慢性骨髄炎の治療にあたっては,病巣掻爬に加え抗生物質の局所濃度を上昇させることが必要となる.今回われわれは,65年来の慢性骨髄炎症例に対し,一期的に抗生剤含浸ハイドロキシアパタイトブロック(以下HAbと略す)を使用し良好な結果を得たので報告する.症例は,78歳男性.12歳時に他院で骨髄炎の診断にて手術加療.その後左大腿部痛残存するも放置.65歳頃より左大腿内側からの排膿を認め,自宅で瘻孔処置継続.左大腿部からの排膿が持続し,単純X線像にて慢性骨髄炎と診断され,78歳時当科に入院し,病巣掻爬・抗生剤含浸HAb充塡術を行った.術後2年の現在,感染は鎮静化している.今回われわれが行ったHAを基材とした徐放システムは,感染治癒に骨の強度を早期に補強しうる.この他の徐放システムとして封入法が試みられているが,われわれの含浸法はこれに比べ手技が容易である.抗生剤含浸HAb法は,難治例や慢性化例に早期に試みてよい方法と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら