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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻7号

2003年07月発行

文献概要

症例報告

カフェイン併用化学療法が奏功した明細胞肉腫の2例

著者: 藤巻芳寧1 土屋弘行1 朝田尚宏1 寺崎禎1 山本憲男1 金澤芳光1 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.967 - P.970

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 抄録:明細胞肉腫は足部に好発する稀な悪性軟部腫瘍で,再発や転移を来しやすいため予後不良である.また,緩徐に増大するため良性腫瘍と間違われやすく,不適切な切除を受けることが多い.今回われわれはカフェイン併用化学療法が著効した明細胞肉腫の再発および転移の2例を経験した.症例1は13歳の女性で,局所再発例である.術前化学療法に放射線療法を併用し,腫瘍は画像上消失した.広範切除および術後化学療法を行い,術後5年で無病生存中である.症例2は47歳の男性で,局所再発に対して広範切除術を受けたが,多発性の肺転移を生じたため,術後化学療法を目的に当科へ紹介となった.化学療法後肺転移巣は画像上いったんすべて消失した.化学療法後に出現した転移巣を切除後3年で無病生存中である.カフェイン併用化学療法は再発,転移例に対しても有効であり,初回治療時から化学療法を施行することが明細胞肉腫の治療成績の向上につながると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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