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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻7号

2003年07月発行

文献概要

症例報告

感染性脊椎炎に対するリン酸カルシウムセメントの応用―抗菌剤の徐放性キャリアとしての使用例

著者: 金山雅弘1 橋本友幸1 重信恵一1 大羽文博1 石田隆司1 山根繁1

所属機関: 1函館中央病院整形外科

ページ範囲:P.971 - P.975

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 抄録:非定型抗酸菌性脊椎炎に対し,抗結核剤の徐放性キャリアとしてリン酸カルシウムペースト(以下CPC)を使用した症例について報告する.症例は81歳女性で,腰痛と右下肢痛のため歩行困難となり,右大腿神経麻痺を呈していた.MRIにてL2/3椎間腔の狭小化と椎体の骨破壊像,硬膜外膿瘍を認め,針生検にてMycobacterium Kansassiiが検出された.前方および後側方固定術を一期的に施行した.前方固定にはINH 450mgを混合したCPCをチタンメッシュ内に充塡して使用し,後側方固定ではインストゥルメンテーションを併用した.術後,硬性コルセットを6カ月間装着し,INH・RFP・EBの抗結核剤3剤の内服投与を9カ月間行った.術後1年6カ月の経過観察時,骨癒合は得られ,感染の再燃も認めなかった.抗結核剤の徐放性キャリアとしてのCPCと前方支柱としてのチタンメッシュの併用は有用な方法として期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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