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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻7号

2003年07月発行

文献概要

症例報告

大腿部遠位に発生した腱鞘巨細胞腫(tenosynovial giant cell tumor)diffuse-typeの1例

著者: 鎌田尊人1 鬼頭正士2 高橋和久1 梅田透3 腰塚周平1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学 2高根町整形外科 3鎌倉ヒロ病院整形外科

ページ範囲:P.977 - P.981

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 抄録:腱鞘巨細胞腫(tenosynovial giant cell tumor)のdiffuse-type(以下TGCT-Dと略す)は比較的稀であり,悪性軟部腫瘍との鑑別も困難である.今回,大腿部遠位に発生した巨大なTGCT-Dに広範切除術を施行した1例を経験した.術前の触診で腫瘤は約15×7cm大で表面平滑,弾性硬で可動性はなかった.MRI像ではT1でiso intensity,T2ではまだらにhigh intensityな部分が存在し,ガドリニウムにて造影される巨大な腫瘤であり,臨床的には悪性腫瘍を疑った.しかし,術後の病理所見では,破骨細胞型多核巨細胞や泡沫細胞の集族像を認め,核分裂像は少なく,TGCT-Dと診断した.臨床的にTGCT-Dは悪性軟部腫瘍との鑑別は困難であるが,組織学的に鑑別可能であるため,切除術前に切開生検により診断を確定することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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