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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻7号

2003年07月発行

文献概要

症例報告

脊髄髄内神経鞘腫の2症例

著者: 白井周史1 村上正純1 山崎正志1 大河昭彦1 新籾正明1 橋本光宏1 政木豊1 鎌田尊人1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学

ページ範囲:P.983 - P.987

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 抄録:比較的稀な脊髄髄内神経鞘腫の2症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例1は54歳男性,主訴は歩行障害・排尿障害である.T1強調MRI Gd-DTPA造影像にてT3-4レベルの髄内に境界明瞭に造影された腫瘤を認め手術を施行した.病理組織所見は神経鞘腫であった.症例2は51歳男性,主訴は左前腕部の異常知覚である.MRI像ではC4レベルの髄内に腫瘤を認め手術を施行,神経鞘腫であった.当院においてMRI導入後に手術を施行,病理診断の確定した髄内腫瘍症例63例中,神経鞘腫は本報告の2例のみである.われわれが文献的に渉猟し得た脊髄髄内神経鞘腫報告例は37例であり,罹病期間は41.4カ月と比較的緩徐な経過を呈するものが多かった.脊髄髄内神経鞘腫の発生起源については種々の見解があるが,本症例の術中所見は後根のroot entry zoneに存在するSchwann細胞由来説を示唆するものであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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