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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻8号

2003年08月発行

文献概要

シンポジウム 難治性骨折の治療

多発性外傷における四肢外傷の治療戦略

著者: 大泉旭1 川井真1 山本保博1

所属機関: 1日本医科大学高度救命救急センター

ページ範囲:P.1007 - P.1012

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 要旨:多発外傷に伴った四肢外傷の治療は合併損傷に応じた治療を行うことが重要である.以前は他部位同時手術などに代表される受傷後24時間以内の早期内固定が有用であるとされてきたが,それにより合併損傷(特に頭部外傷)にもたらす影響が近年取りざたされ,早期内固定の有用性が疑問視されてきている.また,胸部外傷を伴った髄内釘固定では,reamingの功罪についていまだ欧米でも意見が分かれているのが現状である.循環動態の安定しない重症多発外傷の骨折治療は,全身状態の蘇生に重点を置きながらそれに見合った段階的治療―damage control surgeryの概念を取り入れ,一時的に創外固定を行って全身状態の回復を待ってからdefinitive treatmentを行なう方法が今後の主流になるものと考える.また,医療過誤が社会問題として騒がれている現在,多発外傷でついつい見逃されがちなmissed injuryにも気を配る必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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