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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻8号

2003年08月発行

文献概要

シンポジウム 難治性骨折の治療

外傷後骨欠損・偽関節に対する血管柄付き骨移植による再建

著者: 藤哲1 西川真史1 工藤悟1 小川太郎1 坪健司2 三浦一志3

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科学 2青森市民病院整形外科 3青森労災病院整形外科

ページ範囲:P.1039 - P.1046

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 要旨:外傷後に生じた骨欠損や偽関節の治療に対する血管柄付き腓骨移植術は有効な手技であり,広範な皮膚および骨欠損を伴った開放骨折例,既に数回の手術がなされ長期経過した例や感染を伴った偽関節例に対して第1選択として行ってきた.しかし技術的に必ずしも容易ではなく,移植腓骨の血行障害の可能性や移植腓骨の骨折の頻度が高いなどが問題となる.自験例では45例中43例に骨癒合が得られ,42例で装具を必要としていなかった.合併症として1例で下肢末梢血行不全にて切断を余儀なくされた.2例で動脈血栓を認め,移植腓骨の骨折は13%に認めたが,いずれも追加治療で骨再建が得られた.治療期間を短くし移植腓骨の骨折を予防するためには,二つ折りにしたり他の移植骨を並べるなど構築学的に強い再建を行い,力学的強度が得られるまで,適度な骨への負荷が可能なIlizarov創外固定などを利用する方法が好ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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