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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻8号

2003年08月発行

文献概要

シンポジウム 難治性骨折の治療

外傷後下肢変形の矯正法

著者: 中瀬尚長13 安井夏生2 清水信幸3 藤井昌一4 平林伸治35 吉川秀樹3

所属機関: 1国立病院大阪医療センター整形外科 2徳島大学整形外科 3大阪大学整形外科 4ガラシア病院整形外科 5大阪府健康福祉部障害保健福祉室施設課

ページ範囲:P.1049 - P.1060

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 要旨:外傷後下肢変形に対し変形矯正の手術治療を行った症例の術後成績についての検討を行い,変形矯正のための重要な指標であるCORA(center of rotation of angulation)の概念(CORA法)に基づいて施行した創外固定法による変形矯正手術の有用性と問題点について考察した.症例は創外固定器を用いて一期的または仮骨延長により漸次的に矯正を行った31例32肢(大腿骨12肢,下腿骨20肢;変形治癒10肢,骨端線損傷11肢,偽関節・遷延治癒11肢)で,術後経過観察期間は0.6~5.8(平均2.3)年であった.矯正角度は,大腿骨で,内外反6~27(平均13)°,前後方凸5~25(平均18)°,内外旋15~30(平均25)°であり,下腿骨で内外反5~34(平均16)°,前後方凸4~15(平均9)°,内外旋7~30(平均17)°であり,延長距離は大腿骨で2~12(平均4.8)cm,下腿骨で1~4(平均2.3)cmであった.最終的にほぼ全例でアライメント異常と脚長差の補正効果が得られた.CORA法による創外固定を用いた変形矯正術は,重篤な合併症を生じる危険が少なく確実な矯正効果の得られる有用な方法であると同時に,その矯正原理は使用する固定デバイスにかかわらず,変形の矯正を理解するための重要な基本的概念となりうるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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