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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻8号

2003年08月発行

文献概要

論述

頚部脊髄症に対する片開き式脊柱管拡大術―術前頚椎アライメントから見た特徴と手術成績について

著者: 渋谷整1 岡史朗1 有馬信男1 菅田吉昭1 乗松尋道1

所属機関: 1香川医科大学整形外科

ページ範囲:P.1069 - P.1075

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 抄録:頚部脊髄症に対し片開き式脊柱管拡大術を施行した75例を,術前の頚椎アライメントから直線型(S型:14例),前弯型(L型:42例),前弯増強型(HL型:19例)に分類し,それらの臨床像の特徴や手術成績について3群間で比較検討した.前弯増強型では高齢者が多く,短期間で症状が進行する傾向にあり,術前重症度が高く,脊髄圧迫,椎間不安定性は上位椎間に生じる傾向にあった.しかし発症後速やかに手術を行うことによって,高齢者といえども良好な回復が期待でき,術後のアライメント変化は,前弯が減少しても直線,後弯型に移行することがなく,通常の片開き式拡大術のよい適応であると考えられた.一方,S型は手術時年齢が若く,術前重症度は低い傾向にあった.しかし術前後とも可動域が大きく,椎間不安定性を有する例は,術後予想以上に後弯変形が進行し,成績悪化に繋がる可能性があり,症例によっては固定術の併用も考慮すべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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