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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻8号

2003年08月発行

文献概要

症例報告

第3腰椎椎体に発生した血管肉腫の1例

著者: 落合淳一1 森下益多朗1 神崎浩二1 斉藤元1 立野慶1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院整形外科

ページ範囲:P.1117 - P.1121

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 抄録:血管肉腫は血管の内皮細胞を由来する軟部組織腫瘍であり,椎体からの発生は極めて稀である.第3腰椎に発生した血管肉腫の手術例を経験したので報告する.症例は37歳の男性で,腰痛と左下肢痛を主訴に来院した.X線像,CT,MRIなどから第3腰椎椎体から第2腰椎辺縁まで広がった腫瘍が認められたため,前後合併による第3腰椎の椎体切除術を施行した.術後の病理組織所見にて,異型性の強い腫瘍細胞が未熟な血管腔を形成し,免疫染色ではFactor-8,CD-34のそれぞれで腫瘍細胞が染まったため,血管肉腫と診断された.血管肉腫は,5年生存率6~8%と悪性度の高い腫瘍である.術後約1カ月よりインターロイキン2による化学療法を2週間行い,これを1クールとして6週間ごとに投与を行った.軽度の白血球減少を認めたが,術後2年6カ月の現在,腫瘍の再発はみられず現職に復帰している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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