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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻9号

2003年09月発行

文献概要

シンポジウム 全人工肩関節置換術の成績

人工肩関節置換術の術後成績―ADLの改善を中心として

著者: 竹内公彦1 大沢敏久1 高岸憲二1 桜井武男2 井上博2 佐野潔3 磯武信4

所属機関: 1群馬大学医学部整形外科 2井上病院整形外科 3東邦病院整形外科 4群馬リウマチクリニック

ページ範囲:P.1165 - P.1169

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 抄録:関節リウマチ14関節,変形性肩関節症1関節,上腕骨頭壊死症2関節に対して施行した人工肩関節全置換術,および人工骨頭置換術の術後成績について検討した.使用機種は,NeerⅡ型2関節,京セラ製バイオセラム9関節,Kirschner Modular型6関節である.日整会肩関節疾患治療成績判定基準に従い疼痛,機能,可動域の3項目について臨床評価した.関節窩側,上腕骨側コンポーネント周囲の透亮像,ルースニングの有無をX線学的に評価した.両群とも疼痛,機能,可動域は改善し,人工肩関節全置換術施行群では,統計的有意差を認めた.長期経過よりみたX線評価では,セメント固定した関節窩側コンポーネント周囲の骨透亮像が11例中9例にみられ,腱板機能不全を伴っていた.上腕骨側コンポーネントもセメント非使用群に骨透亮像の高率な出現を認めた.術後ADLでは肩関節の回旋運動を要する動作に改善が認められた.関節リウマチのみを対象とした人工肩関節全置換術においては,肩可動域は,術前に腱板機能が温存されているほうが術後有意に改善されたが,上肢機能の改善は腱板機能の差として反映されなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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