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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻9号

2003年09月発行

文献概要

手術手技/私のくふう

頚髄腫瘍に対する低侵襲後方切除術―白石の進入法を用いて

著者: 川北敦夫1 谷戸祥之1 吉田宏1 池上健1 白石建1

所属機関: 1済生会宇都宮病院整形外科

ページ範囲:P.1187 - P.1192

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 抄録:1999年,われわれは棘突起付着筋を最大限に温存できる新しい頚椎後方進入を考案した.この進入路を用いて頚髄症に対する様々な後方除圧術を行い,良好な成績を得てきた.今回,同進入法を応用して,頚椎後方の支持組織をほぼ完全に温存したまま,39歳の男性に生じたEden分類2型の上位頚椎砂時計腫を摘出したので報告する.その術式は,軸椎の椎弓と棘突起の左半分をその付着筋を付けたまま一塊として切断し,これを左外側に翻転することにより脊柱管内の腫瘍を露出した.腫瘍を摘出したのちに翻転した左椎弓・棘突起片を解剖学的位置に戻し,左右の棘突起同士を縫着した.頚椎後方法は脊柱管内の展開に優れているが,従来法では深層伸筋を含めて頚椎後方の軟部支持組織が損傷される欠点があった.その結果,術後に頚椎弯曲異常や項部症状の原因となる可能性があった.そこで,われわれは従来法と同等の術野を確保できるうえに,頚椎後方の動的支持組織である棘突起付着筋を温存し,さらには骨性脊柱をも解剖学的に再建できる,新しい頚髄腫瘍の摘出術を開発した.本稿ではその術式の詳細を示し,その有用性を考察する.さらには,頚髄腫瘍全般への応用について検討する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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