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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻1号

2004年01月発行

文献概要

シンポジウム 外傷に対するプライマリケア―保存療法を中心に

上腕骨近位端骨折に対する保存的治療―下垂位での早期運動療法について

著者: 石黒隆1 橋爪信晴2 中山学2

所属機関: 1いしぐろ整形外科 2橋爪病院整形外科

ページ範囲:P.15 - P.22

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 抄録:骨折の治療は本来保存的治療を優先すべきである.最近は手術的治療が優先される傾向にあり,とくに上腕骨近位端骨折にその傾向が強い.われわれは1993年より本骨折に対し受傷後1週から積極的な下垂位での振り子運動を行うことにより,骨癒合や可動域の獲得に良好な結果を得ている.上腕骨骨頭に多少の遺残変形を残すが,偽関節や骨壊死はみられず,現在まで全例に骨癒合が得られている.

 手技を簡単に説明すると,身体を前屈してzero-position位(敬礼位)にもっていき,腕の力を抜きリラックスした状態で120°以上の可動域を獲得するように下垂位での振り子運動を行う.従来では保存的治療の適応はないとまで言われた転位のある3-part,4-part骨折でも,骨折面の接触が得られれば保存的治療が可能であり,Neerの報告とは逆に手術的治療の適応は少ないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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