文献詳細
シンポジウム 外傷に対するプライマリケア―保存療法を中心に
文献概要
抄録:1997年から2001年までの5年間に治療を行った舟状骨骨折新鮮例72例について,その治療方法と成績を検討した.また,初期治療の問題点を検討するために,1987年から2001年までに手術を行った舟状骨偽関節,98例について,初期治療の方法について調査した.新鮮例72例中,保存療法が23例(うち5例は途中で手術となった),手術療法が54例(Herbert分類のtype A2が33例)であった.外固定期間は,保存療法では4~12週(平均9週),手術療法では1~8週(平均2.1週)であった.72例とも骨癒合は得られ,type A2,B1-3は,全例Cooney評価でgood以上であった.type B4の3例中1例がfairであった.偽関節98例中,受傷時医療機関を受診していたものは82例で,舟状骨骨折と診断されていた例はわずか3例であった.
最近の内固定材料の進歩により,従来では保存療法の適応であったtype A2なども積極的に手術が行われ,外固定期間の短縮とともに良好な成績が得られている.しかし,問題は舟状骨骨折の存在が見逃され偽関節となっている例が多いことである.
最近の内固定材料の進歩により,従来では保存療法の適応であったtype A2なども積極的に手術が行われ,外固定期間の短縮とともに良好な成績が得られている.しかし,問題は舟状骨骨折の存在が見逃され偽関節となっている例が多いことである.
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