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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻1号

2004年01月発行

文献概要

シンポジウム 外傷に対するプライマリケア―保存療法を中心に

手術によらない新鮮膝前十字靱帯損傷に対する治療法の予後

著者: 木村雅史1 小林保一1 朝雲浩人1 大歳憲一1 白倉賢二2 高岸憲二3

所属機関: 1善衆会病院群馬スポーツ医学研究所 2群馬大学医学部附属病院リハビリテーション部 3群馬大学医学部整形外科

ページ範囲:P.37 - P.41

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 抄録:断裂前十字靱帯(ACL)には縫合,再建などの特別な処置を加えず,慎重に経過をみた場合の症例(放置群)と,装具を用い積極的に断裂靱帯を修復させる方法を行った群(保存的修復群)の予後調査を行い,以下の結果を得た.放置群のfunctional scoreは良好であったが,activity scoreは満足すべき結果ではなかった.KT-1000では28%が3mm未満であった.保存的修復群の治癒率は徒手不安定性テストからは69.4%,ストレス撮影の正常範囲内改善例は56.5%であった.なお再断裂率は18.6%であり,6年生存率は54.8%であった.以上により,新鮮ACL断裂を放置した例では日常生活には支障なく,スポーツではレクレーショナルなスポーツ活動ではほぼ満足すべき結果が得られている.保存的修復法例は治癒率が低く,再断裂率は高い.しかし,治癒した例の満足度は高いので,適応を厳密にすれば今後とも選択すべき治療法の1つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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