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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻1号

2004年01月発行

文献概要

論述

MRIによる腰椎術後硬膜外血腫の評価

著者: 原憲司1 中井修1 進藤重雄1 水野広一1 大谷和之1 高橋誠1 草野和生1 三宅論彦1 山浦伊裟吉1

所属機関: 1九段坂病院整形外科

ページ範囲:P.49 - P.54

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 抄録:腰椎術後に下肢痛やしびれなどが遺残したり,新たに発生することは稀ではない.これらが術後硬膜外血腫により引き起こされている可能性について検討するため,術後MRIを撮影した66症例で血腫の有無により術後症状に差があるか否か,後向き研究を行った.MRI上,血腫を認めた症例(以下,陽性群)は30例,血腫を認めない症例(以下,陰性群)は36例であった.これら2つの群の間で殿部痛の割合は陽性群40.0%,陰性群16.7%と有意差を認め(P=0.034),下肢痛の割合も陽性群40.0%,陰性群16.7%と有意差を認めた(P=0.034).腰痛,下肢しびれ,MRI撮影時および退院時における術前と比較した筋力低下の有無,および退院時のJOAスコアの改善率においては有意差を認めなかった.術後硬膜外血腫は強い痛みや筋力の低下を来して血腫除去術を必要とする以外に自然消失する血腫があり,殿部痛や下肢痛の遺残など術後早期の経過を不良にしていることが考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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