icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻1号

2004年01月発行

文献概要

臨床経験

四肢長管骨骨幹部転移性骨腫瘍に対するアドリアマイシン混入セメントを併用した髄内釘による治療

著者: 鈴木喜貴1 杉浦英志1 山田健志1 高橋満2

所属機関: 1愛知県がんセンター整形外科 2静岡県立静岡がんセンター整形外科

ページ範囲:P.79 - P.83

文献購入ページに移動
 抄録:四肢長管骨転移性骨腫瘍に対しアドリアマイシン混入セメント(以下ADMセメント)を併用し髄内釘固定を行った8例を検討した.原発巣は乳癌4例,肺癌,食道癌,卵巣癌,多発性骨髄腫が各1例である.手術時の出血量は平均494ml,輸血量は平均3.25U(MAP)であった.4例が術後1年以内に死亡した.ADLは術前に比し低下した症例はなく,特に術前寝たきり症例において大幅な改善が得られ,終末期まで高いADLが維持できた.またADMセメントを併用することにより局所病変の進行が抑えられ,固定力も増強させることができた.転移性骨腫瘍に対する手術では局所根治性よりも低侵襲で高いQOLの獲得が目標であるが,予想される予後に応じて手術法を決定しなければならない.ADMセメントを併用した髄内釘固定は四肢長管骨骨幹部転移性骨腫瘍に対する外科的治療の一方法として有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら