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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻1号

2004年01月発行

文献概要

症例報告

有鉤骨骨内ガングリオンの1例

著者: 松岡宏昭1 永井秀三1 山本謙吾1 高瀬勝己1 堀田隆人1 今給黎篤弘1

所属機関: 1東京医科大学整形外科学

ページ範囲:P.115 - P.119

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 抄録:症例は16歳,男性.剣道歴11年.剣道中,左手背部尺側部痛が出現し,疼痛が持続するためX線像にて有鉤骨異常陰影が指摘され精査加療目的にて入院となる.単純X線像では,有鉤骨は膨化し隔壁を有して辺縁硬化を伴う骨透亮像を呈し,CTにて有鉤骨背側の骨皮質は菲薄化し,内部には隔壁を有しているのを認めた.MRIにてT1強調像で低信号,T2強調像で高信号,造影にて周囲に造影効果を認めた.手術所見では有鉤骨背側皮質は菲薄化・膨隆し,開窓すると黄色ゼリー状の内容液が流失した.内部は隔壁構造を呈しており,十分に掻爬後,腸骨海綿骨を移植した.周囲組織との交通は認めなかった.手根骨発生の骨内ガングリオンの大部分は近位列,特に月状骨,舟状骨が占めている.骨内ガングリオンの成因としては諸説があるが,本症例では11年の剣道歴があり,竹刀を振る際の前腕回内,手関節背屈,尺屈の動作による機械的ストレスによる有鉤骨骨内の血行障害が一因と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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