臨床整形外科39巻11号

2004年11月発行

視座

交ざる

著者： 高橋啓介¹

所属機関： ¹埼玉医科大学整形外科・脊椎外科

ページ範囲：P.1379 - P.1380

　構造改革，情報公開，規制緩和などの言葉が毎日のようにテレビや新聞を賑わせている．世の中の仕組みが急速に変化し，その変化に対応して改革できない組織は，どんなに巨大な組織であっても潰れていく，そんな時代である．同じく以前から続いていた制度でも，時代の変化とともに合わなくなったものは，やはり消えていく運命にある．
　現在，われわれの多くが所属している，大学の医局講座制という制度も，その中の1つかもしれない．もちろん医局講座制にもいくつもの利点がある．しかし，大きな問題点の1つはその制度の閉鎖性にある．
　通常，医局に入局すると，その同門の1人となる．極端な言い方をすると，同門であれば味方であり，同門以外は敵ではないにしろ味方ではない．そのような同門意識がどこの医局にもあるように思う．そして同門内には他の流派が入ってくることを拒む空気が存在する．