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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻11号

2004年11月発行

文献概要

論述

高齢女性の変形性膝関節症患者に対する足関節固定付き足底板の臨床的効果

著者: 戸田佳孝1 月村規子1

所属機関: 1貴晶会戸田整形外科リウマチ科クリニック

ページ範囲:P.1397 - P.1402

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 抄録:過去のわれわれの研究では,平均年齢65歳の女性変形性膝関節症(膝OA)患者に対する足関節固定付き足底板(新型足底板)は従来の靴の中敷き型足底挿板に比べて,大腿けい骨角(FTA)の外反矯正度も臨床症状の改善度も有意に優れていた.しかし,新型足底板が高齢者にも適応があるか否かは不明であった.今回は70歳以上の高齢女性膝OA患者を対象に調査を行った.74例の膝OA患者を対象に誕生日が奇数の者(n=39)には新型足底板を,偶数日の者(n=35)には靴中敷き足底挿板を8週間装着させた.足底板装着前後での患側片脚立位FTAの変化は,新型足底板群では中敷き型足底挿板群に比べて有意に高い外反矯正角度を示した(p<0.0001).治療前後でのLequesneの重症度指数の変化も新型足底板群では中敷き足底挿板群に比べて有意に改善した(p=0.031).新型足底板群で転倒による骨折や捻挫を受傷した者は皆無であった.以上の結果より,高齢女性膝OA患者に対しても新型足底板は効果のある保存的療法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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