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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻11号

2004年11月発行

文献概要

論述

腰仙椎部移行椎例の脊髄円錐下端の高位分布―MRIによる検討

著者: 森本忠嗣1 菊地臣一1 佐藤勝彦2 大谷晃司1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科 2福島県立会津総合病院整形外科

ページ範囲:P.1409 - P.1414

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 抄録:MRIを用いて腰仙椎部移行椎を有する症例の脊髄円錐下端高位との関係について検討した.対象症例を,腰下肢痛を主訴に当科を受診した症例のうち,脊椎退行性疾患や腫瘍性疾患などの異常所見が認められない青壮年期(18歳以上50歳以下)に限定した.対象の内訳は,正常群69例,L4/移行椎群(第5腰椎の仙椎化)12例,L5/移行椎群(第1仙椎の腰椎化)15例であった.脊髄円錐下端の高位の中央値は,L4/移行椎群ではL1椎体頭側に,正常群とL5/移行椎群ではL1椎体尾側部に存在していた.L4/移行椎群の脊髄円錐下端の高位分布は,正常群やL5/移行椎群より約1椎体分頭側に局在している.この事実は,L1破裂骨折の場合,L4/移行椎群では脊髄障害が惹起されるのに対し,正常群やL5/移行椎群では馬尾障害が惹起される可能性が高いことを示唆している.すなわち,腰仙椎部移行椎の存在は,惹起される神経障害の病態に影響を与える可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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