icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻11号

2004年11月発行

文献概要

整形外科/基礎

慢性馬尾圧迫下の神経根内血流障害に対する血流改善効果―選択的EP4受容体アゴニストとプロスタグランジンE1誘導体投与後の血流量の比較検討

著者: 関口美穂1 菊地臣一1 紺野慎一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1415 - P.1420

文献購入ページに移動
 抄録:慢性馬尾圧迫下において,EP4受容体アゴニストの神経根内血管に対する血管拡張と血流量改善作用を,プロスタグランジンE1誘導体と比較した.雑種成犬25頭を用いて慢性馬尾圧迫モデルを作製した.実験系はOP-1206α-CD(プロスタグランジンE1誘導体)3ng/kg/min投与群(n=5)〔以後OP(3)投与群〕,10ng/kg/min投与群(n=5)〔以後OP(10)投与群〕,ONO-4819・CD(EP4受容体アゴニスト)3ng/kg/min投与群(n=5)〔以後EP4(3)投与群〕,10ng/kg/min投与群(n=5)〔以後EP4(10)投与群〕と,対照群として生理食塩水投与群(n=5)(以後コントロール群)の5群を設定した.薬剤投与後10分ごとに神経根内血管の血管径と血流量の計測を行った.OP(3),OP(10),EP(10)投与群では血管が拡張し,血流量が増加した.特に,EP(10)投与群では他の4群に比較して有意に血流量が増加した.これに対して,EP(3)投与群では血管が収縮し,血流量が減少した.以上の結果から,高濃度のEP4受容体アゴニストは,腰部脊柱管狭窄による神経根内血流を改善させる可能性があるといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら